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粉砕によるメカノケミカル効果 書籍 情報機構

粉砕によるメカノケミカル効果の原理と実務

~材料合成および分解・回収への適用展開~


著者

齋藤 文良(Saito Fumio)
張 其武(Zhang Qiwu)


<著者紹介・経歴等>
齋藤 文良: 工学博士(東北大学、1982年)
・経歴
 1947年 山形県山形市に生まれる
 1970年 山形大学工学部卒
 1972年 山形大学大学院工学研究科修士修了、山形大学工学部助手
 以後、1974年東北大学助手、1982~1989年、横浜国立大学講師・助教授、1989年東北大学助教授を経て、1992年~2012年東北大学教授、
 2012年 東北大学定年退職、東北大学名誉教授
 1986-87年 英国、Univ. of Birmingham、博士研究員として留学
 2001年 仏国、Ecole des Mines d’Albi客員教授
 2005~2010年 東北大学多元研所長
・専門 粉体工学


張其 武:工学博士(東北大学、1997年)
・経歴
 1964年 中国河南省息県生まれる
 1984年 中国、武漢工業大学工学部卒
 1987年 中国,武漢工業大学北京大学院修士修了
 1992年 中国、地質科学院鄭州鉱産総合利用研究所研究員
 1992~1994年 東北大学研究生
 1997年 東北大学大学院工学研究科博士課程修了
 1997年 東北大学助手
 以後、2014年、東北大学准教授、2015年~、中国、武漢理工大学教授
 2004~2005年、米国、Ames Laboratory (Iowa State Univ.) Research Fellowとして留学
・専門 粉体工学、資源工学


著者による粉砕詳解書籍も取り扱い中!
  「粉砕の実務」2017年3月発刊

発刊・体裁・価格

発刊  2020年9月15日  定価  41,800円 (税込(消費税10%))
体裁  B5判 232ページ  ISBN 978-4-86502-196-7   →詳細、申込方法はこちらを参照

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粉砕によるメカノケミカル効果の原理と実務 書籍

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本書のポイント

常温・非加熱処理も可能な、粉砕操作によるメカノケミストリーの各種作用および活用法を、様々な材料・プロセスへの応用をふまえ体系的に整理!

各種の材料設計、資源・素材プロセスの改良・開発に役立つ一冊です!


○メカノケミカル効果の要因から粒子径・水分の影響および相転移の関係等、反応過程について事例をもとに解説!
 ミル内の媒体・粒子運動がメカノケミカル効果に与える影響とは?

○機能性ペロブスカイト型酸化物・フッ化物や水和物、セメント系物質の非加熱合成等・・
 粉砕操作を用いた新規材料・合成プロセスの各種応用について!

○VOCの発生抑制に有効な、樹脂・有機物の非加熱分解処理方法を紹介!
 PVC、PTFE、PVDF、HBBやPCB等、各種材料への数々の適用実験結果を掲載。

○金属資源処理を選択的・効果的に行うための粉砕・メカノケミカル処理方法とは?
 ゼオライト合成、希土類元素回収他、有価物の効果的な分離・抽出・回収の手法を解説。

○廃棄物・資源リサイクルへの応用についても網羅!
 LIB(リチウムイオン電池)正極材からのLi、Co、Ni回収や、
 ITO(酸化インジウム)からのIn、Snの回収事例・そのポイント等!

○熱処理を効果的に行うための、粉砕前処理のすすめ方とは?
 例として、バイオマス・廃プラスチックからの水素製造を取り上げ、
 効果的な加熱+粉砕処理の組み合わせプロセスを検討!

目次

第1章 粉砕による固体の変化とメカノケミストリー

1. メカノケミストリーと本書の目的
 1.1 粉砕過程で起こるマクロとミクロな変化
 1.2 粉砕による固体表面の活性とメカノケミカル効果のエネルギー
 1.3 メカノケミカル効果の要因
 1.4 粉砕で調整した粒子の変形挙動に及ぼす粒子径
 1.5 粉砕による固体結晶の無定形化と相転移
 1.6 本書におけるメカノケミカル効果の事例の理解についての補遺
2. 方解石の粉砕とメカノケミカル相転移
 2.1 はじめに ~方解石(組成:炭酸カルシウム(CaCO3))の多形転移
 2.2 方解石の相転移に関する熱力学とメカノケミカル相転移
 2.3 石灰石の粉砕における相転移に及ぼす雰囲気中の水分の影響
3. 乾式粉砕によるタルク、カオリナイトの無定形化機構
 3.1 はじめに~粉砕によるタルクとカオリナイトの結晶構造の変化
 3.2 タルクの乾式粉砕と結晶構造の無定形化機構
  3.2.1 粉砕におけるマクロな変化
  3.2.2 粉砕によるミクロな変化
 3.3 カオリナイトの粉砕による無定形化機構


第2章 セメント系物質の非加熱合成

1. はじめに~セメント系物質と本章の目的
2. トライ・カルシウム・アルミネート(C3A)の合成

 2.1 はじめに~C3Aと本論の目的
 2.2 実験と結果および考察
3. カルシウム・スルホ・アルミネート(CSA)水和物の合成
 3.1 はじめに~CSAと本論の目的
 3.2 乾式粉砕によるCSA水和物の合成
4. 石炭灰からの水硬性粉体の製造
 4.1 はじめに~石炭灰と本論の目的
 4.2 石炭灰(フライアッシュ)からの水硬性粉体の合成
5. 二水石膏からの半水石膏の製造
 5.1 はじめに~石膏と本論の目的
 5.2 実験と結果および考察


第3章 固相反応を利用した機能性酸化物・水和物の合成

1. はじめに~機能性酸化物・水和物と本章の目的
2. ペロブスカイト型酸化物の合成

 2.1 はじめに~ペロブスカイト型酸化物と本論の目的
 2.2 実験と結果および考察
  2.2.1 CaTiO3の合成
  2.2.2 LaMnO3と希土類元素(RE)複合酸化物((RE)MnO3)の合成
  2.2.3 結晶構造等の違いによる反応性の変化
3. 高分散ペロブスカイト型La系酸化物の合成
 3.1 はじめに~高分散ペロブスカイト型La系酸化物と本論の目的
 3.2 実験と結果および考察
  3.2.1 酸化物からのLaCoO3合成と塩化物からの同酸化物の合成の比較
  3.2.2 PdドーピングLa-Fe-Co-Pr-O系機能性酸化物の合成
4. ビスマスバナデート(BiVO4)とレアアース(RE)バナデート(REVO4)の合成
 4.1 はじめに~各種バナデートの合成と本論の目的
 4.2 実験と結果および考察
  4.2.1 BiVO4の合成とその光触媒特性
  4.2.2 REVO4(RE=Y,Nd,Sm,Gd,Dy,Er)の合成
5. 機能性フッ化物の合成
 5.1 はじめに~フッ化物と本論の目的
 5.2 実験と結果および考察
  5.2.1 AZnF3(A=K,Na,NH4)のメカノケミカル合成
  5.2.2 A3GaF6(A=Li,K,Na,NH4)の合成
6. 3価と6価のクロム酸化物からの4価の磁性体(CrO2)合成
 6.1 はじめに~クロム酸化物の特徴と本論の目的
 6.2 実験と結果および考察
7. 酸化物への非金属元素ドーピング
 7.1 はじめに~チタニアへの元素ドーピングと本論の目的
 7.2 TiO2やZnOへの元素ドーピングによる可視光応答光触媒合成
  7.2.1 TiO2へのSドーピング
  7.2.2 ZnOへのNドーピング
8. 湿式粉砕による軽量・耐熱建材(ケイ酸カルシウム水和物)の合成
 8.1 はじめに~ケイ酸カルシウム水和物の合成と本論の目的
 8.2 実験と結果および考察
  8.2.1 アーウィライト合成
  8.2.2 トバモライト合成


第4章 ハロゲン含有樹脂・有機物の分解

1. はじめに~ハロゲン含有樹脂・有機物と本章の目的
2. ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)の脱塩素による分解

 2.1 はじめに~PVCの特徴とその廃棄物の処理と本論の目的
 2.2 実験と結果および考察
  2.2.1 CaO添加によるPVCの脱塩素による分解
  2.2.2 NaOHあるいはKOH添加によるPVCの脱塩素による分解
3. ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)の脱フッ素による分解
 3.1 はじめに~ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)と本論の目的
 3.2 実験と結果および考察
  3.2.1 PTFEの分解
4. ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の脱フッ素による分解
 4.1 はじめに~ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)と本論の目的
 4.2 実験と結果および考察
5. ヘキサブロムベンゼン樹脂(HBB)の脱臭素による分解
 5.1 はじめに~ヘキサブロムベンゼン樹脂(HBB)と本論の目的
 5.2 実験と結果および考察
6. モノクロルビフェニル(BP-Cl)の脱塩素による分解
 6.1 はじめに~モノクロルビフェニル(BP-Cl)と本論の目的
 6.2 実験と結果および考察


第5章 天然資源(鉱石)の処理と有価物回収

1. はじめに~金属資源処理と本章の目的
2. タルクや蛇紋岩からの有価元素(Mg)の選択的回収

 2.1 はじめに~タルクの無定形化とマグネシウム抽出と本論の目的
 2.2 実験と結果および考察
3. カオリナイトからのゼオライト合成
 3.1 はじめに~ゼオライト、カオリナイトと本論の目的
 3.2 乾式粉砕によるカオリナイトの構造変化とゼオライト合成のプロセス
4. 硫酸塩鉱石からの水酸化物と炭酸塩の生成
 4.1 はじめに~硫酸塩と炭酸塩鉱物と本論の目的
 4.2 セレスタイト(主成分:SrSO4)からのSrCO3の生成
 4.3 バライト(主成分:BaSO4)からのBaCO3の回収
5. マグネサイトからの水酸化物や炭酸塩の生成
 5.1 はじめに~マグネサイトと本論の目的
 5.2 実験と結果および考察
6. バストネサイトからの希土類元素の回収
 6.1 はじめに~希土類鉱石(バストネサイト)と本論の目的
 6.2 実験と結果および考察
7. シーライトからの可溶性タングステン塩の回収
 7.1 はじめに~シーライト鉱石と本論の目的
 7.2 実験と結果および考察


第6章 廃棄物・未利用資源からの有価物回収

1. はじめに~廃棄物・未利用資源のリサイクル・活用と本章の目的
2. 三波長形廃蛍光管からのレアアース回収

 2.1 はじめに~三波長形廃蛍光管と本論の目的
 2.2 実験と結果および考察
3. ITOスクラップからのIn、Snの回収
 3.1 はじめに~ITOスクラップと本論の目的
 3.2 実験と結果および考察
4. 廃2次電池正極材からの有価物回収
 4.1 はじめに~リチウムイオン2次電池(LIB)正極材と本論の目的
 4.2 LIB正極材からの有価金属回収
  4.2.1 LiCo0.2Ni0.8O2系正極材の無定形化によるLi、Co、Niの回収
  4.2.2 LiCoO2系正極材のメカノケミカル塩化法によるLi、Coの回収
5. 重油燃焼煤(EPDust)からのバナジウム(V)回収
 5.1 はじめに~EPDustと本論の目的
 5.2 実験と結果および考察
6. ミッシュメタル合金磁性材料端材からのレアアース回収
 6.1 はじめに~ミッシュメタル合金磁性材料と本論の目的
 6.2 実験と結果および考察


第7章 粉砕-加熱処理による生成物の特性と粉砕効果

1. はじめに~粉砕?加熱処理による生成物の特性と本章の目的
2. セラミックス(ムライト)の特性に及ぼす粉砕効果

 2.1 はじめに~セラミックス製造工程と本論の目的
 2.2 ムライト
 2.3 カオリナイトとギブサイトからのムライト合成の実験と結果および考察
3. 摩耗粉(種)添加による水酸化アルミニウムのα化温度低減
 3.1 はじめに~アルミナと粉砕で発生する摩耗粉および本論の目的
 3.2 実験と結果および考察
4. バイオマスからの水素製造
 4.1 はじめに~水素とバイオマスおよび本論の目的
 4.2 粉砕を利用したバイオマスからの高純度水素の製造の実験と結果および考察
5. 廃プラスチック、稲わら、廃紙、下水汚泥からの水素製造
 5.1 はじめに~廃プラスチック、廃紙、下水汚泥のリサイクルと本論の目的
 5.2 粉砕法を利用した廃プラ(樹脂)、稲わら、廃紙、下水汚泥からの水素製造
  5.2.1 樹脂からの水素製造
  5.2.2 稲わら、印刷用紙(排紙)、コーヒー滓、杉材からの水素製造
  5.2.3 下水汚泥からの水素製造


第8章 メカノケミカル効果とミル内媒体運動

1. はじめに~粉砕機内の媒体運動と本章の目的
2. タルクの無定形化に及ぼすミル内媒体運動エネルギー

 2.1 はじめに~タルクの無定形化と本論の目的
 2.2 タルクの粉砕現象とDEMシミュレーションによる媒体運動
  2.2.1 タルクの乾式粉砕における無定形化とミル内媒体運動の関係
  2.2.2 タルクの無定形化に及ぼす遊星ミル粉砕ポット(容器)の2つの回転方向の影響
3. PVCの脱塩素反応に及ぼすミル内媒体運動エネルギー
 3.1 はじめに~PVCの脱塩素と本論の目的
 3.2 実験と結果および考察
4. 重油燃焼煤(EPダスト)からのバナジウム(V)回収率とミル内媒体運動エネルギー

 4.1 はじめに~EPダストからのV回収と本論の目的
 4.2 粉砕時間からボールの運動エネルギーへの変換

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