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腸内細菌叢の基礎知識 書籍

腸内細菌叢の

基礎知識と研究開発における留意点


発刊・体裁・価格

発刊  2020年10月27日  定価  49,500円 (税込(消費税10%))
体裁  B5判 226ページ  ISBN 978-4-86502-199-8   →詳細、申込方法はこちらを参照

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腸内細菌叢の基礎知識 書籍

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本書のポイント

★有用な腸内細菌を見つけるための培養・解析・評価方法を基礎から解説。
★腸内細菌叢の解析を外部委託する際の注意点と活用の考え方を掲載。
★動物・人間の腸内細菌の違いや代謝物や人体への影響にも触れます。

〇そもそも腸内細菌利用の発端と研究における問題点

腸内細菌の培養法の全般の基礎解説
 (検体採取・培養法・培地・観察・操作上の留意点)

〇腸内細菌叢の各種解析(定量的PCR法、メタゲノム解析法)の特徴と解析法の解説

データの解析と関連する統計手法を基礎から解説

腸内細菌叢の解析を外部委託する際の注意点および、活用方法を概説。

動物および人間におけるそれぞれの代表的な腸内細菌とその特徴

〇人間の体内における腸内細菌の働き代謝物の内容、代謝物の人体への影響

〇腸内細菌叢と薬物の薬効・薬物動態の関係

〇人工的な腸内細菌叢モデルの構築方法

動物試験、臨床試験における腸内細菌の効果・評価方法

執筆者一覧(敬称略)

梅崎 良則  (公財)腸内細菌学会、ヤクルト本社
藤沢 倫彦  日本獣医生命科学大学
大橋 雄二  日本獣医生命科学大学
高安 伶奈  東京大学 
奥井 佑   九州大学病院
國澤 純   (国研)医薬基盤健康栄養研究所
河合 総一郎 (国研)医薬基盤健康栄養研究所
細見 晃司  (国研)医薬基盤健康栄養研究所
土田 さやか 中部大学
牛田 一成  中部大学
岡田 信彦  北里大学
西村 直道  静岡大学
小川 順   京都大学大学院
岸野 重信  京都大学大学院   
大槻 純男  熊本大学大学院
野津 量子  (公財)実験動物中央研究所
小倉 智幸  (公財)実験動物中央研究所
野本 康二  東京農業大学

目次

第1章 腸内細菌叢の概要
1.動物実験モデルにおける腸内細菌叢
 1.1 腸内細菌叢の存在意義
 1.2 腸内細菌叢の分析法の進展とその概要
 1.3 腸内細菌叢の機能解析
2.腸内細菌叢研究における SFB の役割とその課題
 2.1 腸内細菌SFB について
 2.2 SFB 研究の概要と課題について
 2.3 SFB 研究からプロバイオティクス研究へ

第2章 培養法による腸内菌叢の検索
1.検体の採取法
2.検体の輸送法
3.培養法
4.培地
 4.1 各種培地および希釈液の作製法
  4.1.1 嫌気性輸送培地
  4.1.2 Plate-in-bottle 法による M10 培地
  4.1.3 嫌気性検体希釈液 (A)
  4.1.4 嫌気性検体希釈液 (B)
  4.1.5 BL 寒天培地
  4.1.6 EG 寒天培地
  4.1.7 変法 LBS 寒天培地
  4.1.8 ES 寒天培地
  4.1.9 BS 寒天培地
  4.1.10 変法 VS 寒天培地
  4.1.11 NBGT 寒天培地
  4.1.12 Neomycin-Nagler (NN) 寒天培地
  4.1.13 TS 寒天培地
  4.1.14 DHL 寒天培地
  4.1.15 PEES 寒天培地
  4.1.16 TATAC 寒天培地
  4.1.17 P 寒天培地
  4.1.18 NAC 寒天培地
5.検体の培地への接種および培養法
 5.1 Plate-in-bottle法と嫌気ジャー法 ( スチールウール法 ) の併用による方法
 5.2 Plate-in-bottle 法を用いない方法
6.各培地に発育する主な菌群の特徴
 6.1 非選択培地
 6.2 選択培地
  6.2.1 変法 LBS 寒天培地 (Lactobacillus 選択培地 )
  6.2.2 ES 寒天培地 (Eubacterium 選択培地 )
  6.2.3 BS 寒天培地 (Bifdobacterium 選択培地 )
  6.2.4 変法 VS 寒天培地 (Veillonella 選択培地 )
  6.2.5 NBGT 寒天培地 (Bacteroidaceae 選択培地 )
  6.2.6 NN 寒天培地 ( レシチナーゼ陽性Clostridium 選択培地
  6.2.7 DHL 寒天培地 (Enterobacteriaceae 選択培地 )
  6.2.8 PEES 寒天培地 (Staphylococcus 選択培地 )
  6.2.9 TATAC 寒天培地 (Streptococcus 選択培地 )
  6.2.10 P 寒天培地 ( 酵母および糸状菌選択培地 )
  6.2.11 NAC 寒天培地 ( 緑膿菌選択培地 )
7.発育菌の観察
8.データのまとめ方
9.M10 培地を用いた Plate-in bottle 法とスチールウール法によるデータの比較
10.菌株の分離および保存
11.培養法における操作上の留意事項

第3章 腸内細菌叢の解析方法と各種解析手法と手順
第1節 定量的 PCR 法
1.サンプルの採取と保存
2.DNA の抽出
3.腸内細菌叢の解析
4.Real-time PCR
5.Real-time PCR による腸内細菌叢の解析
6.特異性の確認
7.検出限界
8.スタンダード
9.解析例
第2節 メタゲノム解析
1.16S アンプリコン解析
2.メタゲノム解析
3.メタゲノム解析の最前線
 3.1 ビニング解析
 3.2 長鎖型シークエンサーの使用
 3.3 mOTU 解析
 3.4 iRep による増殖速度推定
4.今後の展開
第3節 データの解析方法と統計手法
1.16S rRNA メタゲノム解析データ
 1.1 データ構造
 1.2 正規化
2.探索的データ解析手法
 2.1 多様性の解析
  2.1.1 Jaccard 係数
  2.1.2 Bray-Curtis 距離
 2.2 クラスター分析
 2.3 データを可視化する統計手法
  2.3.1 ヒートマップ
  2.3.2 ネットワーク図
  2.3.3 多次元尺度構成法
3.Differential abundance analysis
 3.1 単変量の Differential abundance analysis
  3.1.1 負の二項回帰モデル
  3.1.2 ゼロ過剰モデル
  3.1.3 経時測定データに対する統計モデル
  3.1.4 検定の多重性
 3.2 多変量の Differential abundance analysis
 3.3 症例数設計
4.機械学習を用いた分析方法
 4.1 Lasso 回帰モデル
 4.2 ランダムフォレスト
5.他の腸内細菌解析データに関して


第4章 腸内細菌叢解析の外部委託時の注意点と活用の考え方
1.腸内細菌の解析手法の概要
2.委託内容の検討
3.ヒトサンプルや海外のサンプルを扱う際の注意点
4.委託契約時の注意事項

第5章 動物の腸内細菌叢
1.家畜や実験動物の腸内菌叢
2.野生動物の腸内菌叢
3.次世代シーケンサーの活用による 16S アンプリコンシーケンス
4.野生動物腸内細菌研究の目指すもの
  ―絶滅危惧野生動物の野生復帰個体群の準備―
5.野生個体からの糞便移植の可能性

第6章 人間の腸内細菌叢
1.人間の腸内細菌の特徴と個体差 ( 代表的な菌種 )
2.ヒト腸内細菌の役割
 2.1 腸内細菌叢と宿主間における共生
  2.1.1 腸内環境の改善と栄養の消化・吸収促進
  2.1.2 生体防御作用
  2.1.3 免疫調節作用
 2.2 腸内細菌叢のディスバイオシスによる疾患と健康への影響
  2.2.1 内因感染の誘発
  2.2.2 宿主の老化や発がんなどに与える影響
  2.2.3 腸内細菌による医薬品に対する影響
 2.3 腸内細菌叢と疾患
  2.3.1 肥満
  2.3.2 糖尿病
  2.3.3 炎症性腸疾患
  2.3.4 神経疾患
  2.3.5 その他の疾患
3.腸内細菌叢の食事による変動要因
4.年齢による細菌叢の変遷
 4.1 乳幼児の腸内細菌叢
 4.2 成人の腸内細菌叢
 4.3 高齢者の腸内細菌叢

第7章 腸内細菌の活動と影響
第1節 腸内細菌による発酵と代謝物
1.大腸発酵に利用される基質
 1.1 発酵基質としての糖質 ( 食事由来 )
  1.1.1 レジスタントスターチ
  1.1.2 食物繊維 ( 非デンプン性難消化性糖質 )
  1.1.3 難消化性オリゴ糖
 1.2 発酵基質としての糖質 ( ムチン;宿主由来 )
2.大腸における発酵
 2.1 主要細菌による発酵の特徴
  2.1.1 Bacteroides 属
  2.1.2 Bifdobacterium 属
  2.1.3 Lachnospiraceae 科
  2.1.4 Ruminococcaceae 科
 2.2 クロスフィーディング
3.発酵産物とそのクロスフィーディング
 3.1 短鎖脂肪酸
  3.1.1 酢酸
  3.1.2 プロピオン酸
  3.1.3 酪酸
 3.2 水素分子
4.発酵産物を介した腸内細菌 - 宿主とのクロストーク
 4.1 水素分子の還元性
 4.2 難消化性糖質の用量に依存して増加する大腸発酵由来の水素分子
 4.3 全身にデリバリーされる大腸発酵由来の水素分子
 4.4 大腸発酵由来の水素分子 H2 による酸化ストレスおよび炎症の軽減
  4.4.1 肝臓における酸化ストレス軽減
  4.4.2 脂肪組織への大腸 H2 の移行と炎症抑制
第2節 代謝物の人体への影響
1.腸内細菌が宿主に及ぼす影響
2.核酸の腸内細菌代謝
3.植物機能性成分の腸管細菌代謝
4.アミノ酸の腸内細菌代謝
5.脂肪酸の腸内細菌代謝
6.腸内細菌が産生する不飽和脂肪酸代謝物の生理機能
 6.1 水酸化脂肪酸の腸管バリア機能増強効果
 6. 2 水酸化脂肪酸によるアトピー性皮膚炎の緩和
 6.3 水酸化脂肪酸、オキソ脂肪酸による抗炎症作用
 6.4 肥満に伴う代謝異常症の改善
 6.5 高脂肪食接種に伴う肥満症状の改善
7.腸内細菌脂質代謝物の機能性食品素材としての開発
第3節 腸内細菌叢の変化が薬物動態に与える影響
1.薬物動態と薬効
2.抗菌薬処理モデルマウス
3.プロテオミクスによるタンパク質発現量の解析
4.腸内細菌減少マウスにおける薬物動態関連タンパク質の変化
 4.1 モデルマウスにおける肝臓、腎臓のタンパク質発現変化
 4.2 モデルマウスにおける肝臓、腎臓の代謝酵素およびトランスポーターの変化
 4.3 モデルマウスの肝臓における Cyp2b 活性の減少
5.腸内細菌による肝臓の薬物代謝の制御機構

第8章 腸内状態の人工的再現と腸内細菌叢モデルの構築再現
1.腸内環境
2.大腸での腸内発酵
3.糞便培養
 3.1 糞便の採取
 3.2 糞便の嫌気的希釈
 3.3 糞便希釈菌液の培地等への接種
 3.4 一定時間の培養
 3.5 サンプルの採取と解析
4.胃・小腸での消化吸収モデル

第9章 腸内細菌の評価試験
第1節 動物試験における留意点
1.使用動物の微生物学的グレード
 1.1 コンベンショナルおよび Specifc pathogen free(SPF) 動物
 1.2 ノトバイオート動物
 1.3 無菌動物
2.飼育環境
 2.1 アイソレータ
 2.2 個別換気ケージシステム
3.検体の微生物学的統御
4.試験事例
 4.1 菌定着試験
 4.2 糞便投与試験
 4.3 特殊飼料給餌試験
第2節 臨床試験
1.的確な臨床試験の実施
 1.1 腸内フローラ解析の方法論
 1.2 被験者集団の特徴と実施上の留意点
  1.2.1 健常者を対象とする試験・研究
  1.2.2 患者における臨床研究
 1.3 結果の評価
2.規制対応
3.マーカーとしての代謝産物と作用メカニズム

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