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書籍 セルロースナノファイバー

セルロースナノファイバー

〜実用化に向けた製造・複合化・評価技術〜


発刊・体裁・価格

発刊  2018年2月23日  定価  60,500円 (税込(消費税10%))
体裁  B5判 266ページ  ISBN 978-4-86502-146-2   →詳細、申込方法はこちらを参照

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セルロースナノファイバー 書籍

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本書のポイント

★最新市場データや製品応用に向けた各要素技術から、商品開発のポイントを正しく把握!

●CNF市場状況の把握、特許公報から見る実用化のポイントと用途開発の状況
 ・CNFの特性を活かせる有望な用途や分野は?国内外での生産稼働状況研究開発動向
  CNFの潜在市場、製造コストや使用材料など、参入前に考慮すべき事項を市場データを基に読み解く。

●セルロースナノファイバー製造・分散・複合化の要素技術
 〜プラスチック、ゴム中への複合化。CNTとの複合紙作製。CNFナノコンポジットの生産。
  触媒材料の創出、CNFの染色熱可塑性樹脂複合材料の作製。
 ・CNFの添加量は?混錬時の凝集防止方法、複合材料の優れた特性や、実用化へのアプローチ
 ・CNFの各製造技術・工程とその物性評価比較低コストでの大量製造取り組みなど。

●CNFの状態を簡易的に評価するには?
 〜繊維形態、繊維幅や長さ、ファイバー表面性状、分散性、解繊度合いから粘度、強度の各評価方法
 ・近年提案の形態評価方法から、一般的に利用される簡易的手法など
  製品化に関わる、品質評価の国際標準化動向についても併せて解説

●製品応用に向けた技術開発及び評価
 〜骨補填材、スキンケアベース材、透明導電紙、増粘剤、3Dプリンター用樹脂への応用
 ・触感安定性向上、機能性付加を目的とした技術開発例。各材料への複合化や分散、粉体化手法。
  特性評価から実用化への課題と解決アプローチなど

◇◇◆詳細は下記目次をご覧下さい◆◇◇

執筆者一覧(敬称略)

●松村晴雄(旭リサーチセンター(株))
●小倉孝太((株)スギノマシン)
●轟雄右(王子ホールディングス(株))
●林徳子(森林総合研究所)
●山本顕弘(モリマシナリー(株))
●舩岡正光(三重大学)
●伊福伸介(鳥取大学)
●野田秀夫(関西化学機械製作(株))
●楠本英世(技術研究組合Lignophenol&Systems)
●仙波健(京都市産業技術研究所)
●長谷朝博(兵庫県立工業技術センター)
●井上均(日本資材(株))
●宇山浩(大阪大学)
●藤澤秀次(森林総合研究所)
●古賀大尚(大阪大学)
●内田哲也(岡山大学)
●上坂貴宏(京都市産業技術研究所)
●小野晃(産業技術総合研究所)
●熊谷明夫(産業技術総合研究所)
●横田慎吾(九州大学)
●浅倉秀一(岐阜県産業技術センター)
●近藤兼司(富山県工業技術センター)
●藤井透(同志社大学)
●後居洋介(第一製薬工業(株))
●藤橋政人(スターライト工業(株))
●雲浩靖(オンキヨー(株))

目次

第1章 CNFの基礎
 第1節 CNFの特性理解
  1.CNFの特性と機能発現メカニズム
 
 第2節 研究開発動向

  1.特許からみたCNFの研究開発動向
  2.企業のCNF開発状況
  3.CNFの市場規模
 
 第3節 CNF事業に参入するにあたり考慮する事項

  1.製造コスト
  2.複合材料化
  3.具体的な製品化に向けた技術開発
 
 第4節 セルロースナノファイバーの製造工程

  第1項 機械的手法(ウォータージェット法)によるCNF製造
  はじめに
  1.ウォータージェット法によるCNFの製造
  2.ウォータージェット法で製造したCNFの特徴
   2.1 外観
   2.2 結晶化度と重合度
  3.化学処理後の機械解繊処理
  4.CNFの応用展開
  おわりに
  第2項 リン酸エステル化によるCNFの製造と生産効率向上化
  1.CNFの製造技術と化学的前処理
  2.リン酸エステル化法の特徴
   2.1 微細化エネルギーの低減
   2.2 製造プロセスの簡略化
   2.3 セルロースの損傷抑制
   2.4 環境調和型の原材料使用
  3.リン酸エステル化CNFの用途展開
   3.1 CNF水分散液(スラリー)
   3.2 CNF透明シート
   3.3 CNFパウダー
  おわりに
  第3項 機械処理と酵素処理を併用したCNF製造技術
  はじめに
  1.セルロース
  2.セルラーゼおよびその加水分解機構
  3.酸素加水分解によるセルロースの微細化
  4.国産スギを活用したCNF製造と利用技術の開発
(平成26年度木材需要拡大緊急対策事業)
  おわりに
  第4項 木質バイオマスからのセルロースナノファイバー製造とその用途開発
  はじめに
  1.木材を粉砕する
  2.セルロースナノファイバー
   2.1 セルロースナノファイバーの観察
   2.2 セルロースナノファイバーの分析
    2.2.1 セルロースナノファイバーの成分
    2.2.2 比表面積
    2.2.3 セルロースナノファイバーの粘度
    2.2.4 セルロースナノファイバーの結晶化度
  3.プラスチックとの複合化
   3.1 ペーパーナイフ試作
   3.2 洗濯ばさみ試作
   3.3 扇子試作
   3.4 容器試作
   3.5 繊維試作
  第5項 ナノセルロース・リグノフェノール複合体の設計とその機能
  はじめに
  1.構造エネルギーストックとしてのリグノセルロース
  2.樹木細胞壁の工業規格化
  3.分子セグメントの解放と組み替えによるナノ複合系の誘導
  4.ナノセルロース・リグノフェノール複合体(LNCC)の特性
   4.1 Wood Plasticsとしての機能
   4.2 Polypropylene(PP)との複合機能
   4.3 リグノフェノール -新しいリグニン系工業規格素材-
   4.4 新しい化学工業システム
  第6項 カニ殻由来のキチン系ナノファイバーの製造とその化学修飾
  はじめに
  1.カニ殻由来のナノ繊維「キチンナノファイバー」
  2.キチンナノファイバーの化学修飾
   2.1 キチンナノファイバーのアセチル化
   2.2 ポリアクリル酸のグラフト
   2.3 キチンナノファイバーのフタロイル化
   2.4 キチンナノファイバーのN-ハラミン化
  おわりに


第2章 CNFの樹脂との分散・複合化・成形技術
 第1節 セルロースナノファイバーを用いたナノコンポジットの製法と可能性
  はじめに
  1.プラスチックに適したCNFナノコンポジットの生産方法
  2.CNFナノコンポジットの機械特性
  3.CNFナノコンポジットの課題と可能性
  おわりに
 
 第2節 セルロースナノファイバーによるゴムの補強
  はじめに
  1.CNF強化ゴム材料
   1.1 CNF強化ゴム材料の作製方法
   1.2 CNF強化ゴム材料の引張物性
    1.2.1 引張物性への繊維長の影響
    1.2.2 引張物性への繊維種の影響
  2.CNF強化スポンジゴム材料
   2.1 CNF強化スポンジゴム材料の作製及び評価方法
 
 第3節 セルロースナノファイバー/カーボンナノチューブ複合紙の開発
  はじめに
  1.CNTの分散剤としてのCNF
  2.CNF/CNT複合紙の作製
  3.CNF/CNT複合紙の特性
  4.複合紙からの展開
  おわりに
 
 第4節 汎用樹脂との混合・複合化技術
  1.ナノセルロースとポリオレフィン樹脂の複合化
  2.ナノセルロースと他の汎用樹脂の複合化
  3.バクテリアセルロースと樹脂の複合化
  おわりに 
 
 第5節 水系での簡便な手法を用いたCNFとプラスチックの複合化

  1.これまでの検討:TEMPO酸化CNFと疎水性プラスチックの複合化
  2.水系プロセスでのCNF/ポリスチレンの複合化
   2.1 調整方法
   2.2 複合材料の構造
   2.3 各種物性
 
 第6節 セルロースナノファイバーの触媒担体利用とファインケミカル合成応用
  1.触媒材料開発
  2.セルロースナノファイバー結晶表面での金属ナノ粒子触媒合成
  3.金属ナノ粒子担持セルロースナノファイバーの触媒性能
  4.銅(I)イオン担持セルロースナノファイバーを用いたHuisgenクリック反応
 
 第7節 高分子結晶での被覆によるセルロースナノファイバーの表面改質
  1.PVA結晶で被覆したCNF(NCF(CNF/PVA))の作製と複合体フィルムへの応用
   1.1 作製法と得られた試料の特徴
   1.2 NCF(CNF/PVA)をフィラーとして利用した複合体フィルムの作製と物性評価
  2.種々の高分子結晶を用いたCNFの表面改質
   2.1 エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)結晶によるCNFの被覆
   2.2 NCF(CNF/PVA)のホルマール化
   2.3 被覆高分子結晶の違いによるNCF表面物性(親水性、疏水性)の変化
 
 第8節 CNFの染色と材料着色
  はじめに
  1.CNFの染色
  2.染色CNF/熱可塑性樹脂複合材料の作製
  3.染色CNF/熱可塑性樹脂複合材料の耐光性
  まとめ


第3章 CNFの評価方法
 第1節 品質評価の国際標準化動向
 はじめに
  1.市場における規格の利活用
  2.規格化の対象材料
  3.国際標準化動向
  4.規格作成における戦略的視点
   4.1 世界的な視点
    4.1.1 全体ロードマップ
    4.1.2 キャラクタリゼーション規格の体系
   4.2 日本の視点
    4.2.1 規格作成のリーダーシップ
    4.2.2 品質評価項目の選択
  まとめ
 
 第2節 ファイバー形態・性状の評価

  1.顕微鏡観察による繊維形態の評価
  2.簡便なナノセルロースの繊維幅・長さの評価方法の提案事例
  3.水晶振動子マイクロバランス法によるファイバー表面性状の評価
   3.1 成分組成に基づくナノセルロースの分類
   3.2 QCM 法によるLCNF表面性状の評価
   3.3 QCM法によるLCNF表面成分の積層状態の解析
 
 第3節 分散性および解繊度合いの簡易的な評価

  1.透過率による分散性の評価
  2.粒度分布測定による解繊度合いの評価
  3.沈降速度から評価するCNFの解繊状態
 
 第4節 強度解析

 1.ナノファイバーの力学物性測定
 2.ナノセルロース1本の強度・弾性率
  2.1 強度測定
  2.2 弾性率測定
 3.ナノセルロースシート材料の解析
 
 第5節 粘度解析

 1.水溶性多糖と類似した粘度ーアスペクト比の相関性
 2.粘度測定によるTOCNの長さ評価


第4章 セルロースナノファイバーの活用に向けた技術・製品開発動向
 第1節 医療材料〜セルロースナノファイバーを用いた骨補填材への応用
  1.セラミックスの特徴と成形方法
  2.バイオセラミックスとCNFの複合化方法
   2.1 混合スラリーの作製方法
   2.2 乾式加圧成形
   2.3 湿式加圧成形
  3.多孔体構造

 第2節 化粧品素材〜バイオマスナノファイバーを用いたスキンケアベース材料の開発
  1.今回使用するセルロースナノファイバー
  2.CNFの安全性
  3.複合化スキンケア材料の評価
  4.アウトバストリートメントを指向した商品開発

 第3節 化学・エネルギー関連材料
  第1項 セルロースナノファイバーと金属ナノ材料の複合化と構造設計による電子機能創発
  1.セルロースナノファイバーと銀ナノワイヤの複合化による透明導電紙の開発 
  2.セルロースナノファイバーと銀ナノワイヤの複合化による高誘電率紙の開発とアンテナ基材応用
  3.セルロースナノファイバーと銀ナノ粒子の複合化による半導体の開発とメモリ応用
  
  第2項 添加剤としての応用〜セルロースナノファイバーを如何に活用するか?−山椒は小粒でピリリと辛い−
  はじめに
  1.エポキシ母材のCNF(物理的)変性によるCFRPの疲労寿命の向上
  2.CNFの適量添加により、エポキシ樹脂とカーボン繊維界面の接着強度が増す?
  3.ナノ繊維は小粒でピリリと辛い→充填剤として使う
  おわりに(添加剤としてのCNFでは、何に気を付けるか?)

  第3項 増粘剤としての応用
  1.セルロース由来の増粘・ゲル化剤
  2.増粘剤としてのTEMPO酸化CNFの特徴
   2.1 TOCNFの特徴@ ネットワーク構造の形成
    2.1.1 高い増粘性
    2.1.2 乳化・分散安定性
   2.2 TOCNFの特徴A ネットワーク構造のせん断による破壊と再構築
    2.2.1 スプレー可能でタレないゲル
   2.3 TOCNFの特徴B 皮膜形成能
    2.3.1 顔料の乾燥時の凝集抑制
  3.開発状況と応用事例
   3.1 水性ゲルインクボールペンインクとしての実用化

  第4項 3Dプリンター用CNF樹脂製フィラメントの開発
  1.3Dプリンター材料の開発動向と造形技術
   1.1 各種方式とその特徴
   1.2 熱溶解積層方式での材料開発動向
  2.3Dプリンター用樹脂フィラメントへのセルロースナノファイバー(CNF)適用について
   2.1 未変性CNF
   2.2 未変性CNFの粉体化(独自の分散技術と非加熱乾燥法)
    2.2.1 未変性CNFの分散技術
    2.2.2 未変性CNFの粉体化技術
   2.3 未変性CNFとポリ乳酸の複合体作製とフィラメント化
     2.3.1 樹脂の溶解パラメーター
     2.3.2 ポリ乳酸樹脂との複合化とフィラメント化
   2.4 熱溶融積層(FDM)方式の3Dプリンター造形
   2.5 造形物の機能評価
   2.6 各種3Dプリンターへの応用可能性
  3.今後の展望、市場展開

  第5項 セルロースナノファイバーを使用した“スピーカー用振動板”の開発と製品化
  1.スピーカー用振動板とは
   1.1 スピーカーの構造
   1.2 スピーカー用振動板に求められるもの
  2.セルロースナノファイバーのスピーカー用振動板への適応
  3.製品化
   3.1 Onkyo SC-3(B)と振動板
   3.2 Pioneer S-PM50(D),S-PM30(D)と振動板
   3.3 ヘッドホン Pioneer SE-MONITOR5と振動板
   3.4 Onkyo 桐スピーカーと振動板
  4.今後の展開

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